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集大成
2024年8月末に石川県小松市で全日本学生カヌー選手権大会が開催されました。
台風の影響で日程が二転三転する中、調整が難しい大会となりましたが無事に終えることができました。
オーパルからは、滋賀大学、立命館大学、日本体育大学、早稲田大学、関西学院大学、同志社大学、鹿屋体育大学とOBOG含め様々な場所で頑張って活動してくれています。
個人的にはオーパルの監督、立命館大学コーチという立場もありますが、それぞれの地で頑張ることが、日本のカヌー競技全体が盛り上がり、世界で戦える選手が当たり前にでること、そしてカヌーを通して魅力ある人間になり応援してもらえる選手になってもらうことが一番だと思っています。
その中でも4回生は4名(男子2名女子2名)おり小学1年から在籍してくれていた学生もいます。
高校3年時はコロナ化真っただ中で、4名ともが優勝候補の呼び声高い中、インハイ、国体、海外遠征とすべての試合が中止という辛い経験をしながらも腐らずに直向きに頑張ってくれていた姿が目に焼き付いています。
高校までは4人がオーパルを拠点に切磋琢磨していましたが、大学からはそれぞれ別の大学を選択し、各々目的、目標を持ちながら努力していたかと思います。
男子の2名の内、1名は立命館大学の主将として、1名は日本体育大学の主将として、個人の競技力向上のみならずチームを引っ張っていくという大役を担いながらの大変な1年だったと思います。
立命館大学の主将は、2回生の頃からスランプになり、まともに漕ぐことすらままならない状態で色々な人にアドバイスをもらいながら苦労という言葉では足りないくらい人の何倍も努力を重ねていました。普通に漕ぐことすらままならない状態だったのに、今年のフォアでは先頭を漕ぎ、まわりを引っ張って漕いでいる姿は感無量でした。そんな状態の中、見事優勝を果たし漕ぎ終わった後のガッツポーズは本当にかっこよかった‼感動したし勇気をもらいました。総合優勝は逃したものの、カヤック部門優勝も素晴らしい成果だったと思います。また、人として一回り二回り大きくなっていたなと改めて思います。
日本体育大学の主将は、お世辞にも本当に主将できるのかという状態でのスタートでしたが、大会会場やオーパルに来た時に話すたびにチームをまとめることの難しさを感じながら悩んでいる姿を見て、本当に成長したなと毎回思わせてくれました。
最後のインカレも前年度準優勝で今年は優勝候補として挑んだ試合でしたが、一次予選でまさかの失格。。。上がってきてすぐに「やってしまいました。。。」と報告に来てくれた時はかける言葉が見つからなかったですが、「主将としてできることはたくさんある」と声をかけ、悔しい気持ちを押さえながら切り替えてペアやフォア、リレーに集中し、チームのために動いてくれたと思います。日本体育大学としては総合優勝を勝ち取りチームの中心として動いていた結果だと思います。本当に立派な主将として競技力だけでなくチームを引っ張っていっていたんだなと感じました。ただこのままでは終われないと思うので、後悔のない競技最後を迎えて欲しいなと思っています。
そして女子の1名は、立命館大学へ進学し、周りに女子がいない中、相談相手もおらず苦労ばっかりだったと思います。周りに気を使いすぎる性格で自分の思いを押し殺しながらの学生生活。本当に苦しい4年間だったのではと想像できます。ただ、負けん気の強さと芯の強さで最後の500mは見事優勝を果たし今までの苦労が報われた瞬間だったなと感じました。本当におめでとう。そしてお疲れさんでした。
最後に私としては、競技力だけでなく学力も高く色々な可能性を広げるという意味でもずっと筑波大学を進めていたのですが、滋賀大学へ進学し、オーパルで続けるという選択をしてくれたホナツ。
オーパルを選択してくれたからには責任を持って成長させてあげなくていけない状況の中、私がなかなか現場にでることが難しくなっており、逆に生活面では、私の代わりに自分を犠牲にして1回生の頃より小学生から高校生の面倒を見てくれておりチームの大黒柱、心臓としてなくてはならない存在でした。ホナツがいなかったらはっきり言ってここまでのチームにはなってなかったと思います。今年の小中高校の全国優勝は本人の努力がもちろん一番ですが影の立役者。。。ホナツのお陰といっても良いと思います。
競技面では、大学に入ってからもずっと伸び悩んで苦しい日々を過ごしていたと思います。そんな中、3回生の秋頃から調子も上がってきて安定して2分も切れるであろうレベルになってきたが、4回生の春頃からスランプになり、漕げなくなっていきました。中学男子に負けないくらいで漕げていたのが、徐々に中学女子にも負けるくらいになっていき、苦しい日々が続いていたと思います。それでも試行錯誤しながら、決してあきらめることなく、いつ逃げ出してもおかしくない状況も自分を鼓舞して乗り越えて最後の試合までなんとか持ちこたえて挑んでくれたと思います。
最後のレース。本人は転覆するかもしれない、最後まで漕ぎ切れないかもしれない、という不安を抱えながらも、大丈夫じゃないのに「大丈夫です!!」といってしっかりと最後まで漕ぎ切ってくれました。
女子の決勝では陸から見て応援し、優勝や準優勝の選手が身近な選手ということもあり、優勝して本当におめでとうという気持ちとなぜ自分はという悔しい気持ちで本当に複雑な思いがあり苦しかったと思います。
自分もこのレースで漕ぎたかったと思います。
結果で恩返ししたかったと思います。
この状態は目標設定が高く、責任感が強い、まじめで努力家という長所が裏目にでたこともあると思いますが、一番の原因は私が知らず知らずのうちにプレッシャーをかけてしまっていたこと、フォローしきれなかったことが原因で、すべて私の責任です。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それでも、それも含めて乗り越えようとしている姿はかっこよかった。
この経験は一生の宝で財産です。
誰にも負けない魅力のある選手で心の底から応援したいと思える選手です。
一緒にカヌーをしてくれて本当にありがとう。